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2013年3月18日(月曜日)

位置情報を得る仕組みと増える対応機器

 コンピューターが自分の位置(緯度、経度、標高)を認識することで、さまざまな機能やサービスの利用が可能になる。たとえば、ナビゲーション機能や近隣の施設、場所の検索、地域に特有の情報の提供などだ。さらに自宅や勤務先といった場所に関する情報があれば、現在時刻と場所や経路に対する検索で、交通状況を加味した提案なども可能になる。こうした「位置情報」の応用が広がり始めている。

 パソコンやタブレット、スマートフォン(以下、スマホ)が自分の位置を知るためには、カーナビで使われるGPS(Global Positioning System)の他に、携帯電話ネットワークや無線LAN(Wi-Fi)が使われている。 GPSは、人工衛星が発信する電波を受信し、衛星の時計の時刻と受信時間から、衛星までの距離を計算しつつ、複数の衛星の距離から自身の位置を測定する。


1305spe3-01.jpgGPSは、地球を半日で1周する
30個程度の衛星のうちの3個を
使い、その位置と距離から受信
機の位置を測定する。世界中の
多くの場所でつねに数個の衛星
が利用できるが、タイミングが悪
く衛星の位置が低いときは誤差
が大きくなる場合がある。

※左図はクリックすると大きく表
示されます。
 

 携帯電話ネットワークを使う方式では、基地局の位置と携帯電話との距離を計算して場所を推定する。通信方式や事業者によって手法は異なるが、GPSに比べて短時間で位置を測定でき
る利点がある。


1305spe3-04.jpg携帯電話は着信のためつねに
基地局と通信している。この方
法は携帯電話事業者のみが実
施可能な方法なので、事業者の
サービスとして提供されている。

※左図はクリックすると大きく
表示されます。
 

 Wi-Fiを使う場合は、携帯電話やスマホの周囲にある無線LANアクセスポイントを特定し、サーバーに記録されたアクセスポイントの位置情報から推測する。ちなみにグーグルは、ストリートビューの撮影時に、場所と受信可能なアクセスポイントの情報を収集して、データベースを構築している。なお、GPSやWi-Fiを持たないパソコンでは、プロバイダーから付与されるIPアドレスを基に推定するため、マイクロソフトによると「誤差は最大50キロ程度ある」という。


1305spe3-05.jpg仕組みは携帯電話を使った方
法に似ているが、無線LANの
ほうが電波の到達範囲が短く
精度が高い。また、建物内部
でも利用可能というメリットも
ある。

※左図はクリックすると大きく
表示されます。
 

 また、多くのスマホや携帯電話は、携帯電話ネットワークとGPSを併用した「A-GPS」を搭載している。ここまでの3つの方式ではGPSの精度がもっとも高いが、位置測定に時間が必要で、都市部で建物の影になると電波が受信できない弱点がある。一方、携帯電話ネットワークを使う方法は、つねに場所の推測が可能な代わりにそれほど精度が高くない。Wi-Fiもデータベースがなければ「圏外」だ。そこでA-GPSでは、通信事業者からGPS衛星の軌道に関する情報を(端末に)提供して測定時間を短縮するとともに、基地局との位置関係とGPSの不完全な情報とを合わせて位置測定を行う。A-GPSは比較的高い精度を短時間で行えるメリットがある。


1305spe3-06.jpg携帯電話では、通信事業者の
サーバーとGPSを組み合わせ
て、測定に掛かる時間の短縮
や受信状態をカバーするA-G
PS方式が広く使われている。
位置特定時に通信が発生す
るがメリットは多い。

※左図はクリックすると大きく
表示されます。
 

 なおウィンドウズ8はGPSが簡単に利用できるようになり、マイクロソフトもタブレットパソコンへの搭載を推奨している。またWi-FiのみのタブレットでもGPSを搭載した機種が登場しつつある。デジタルカメラにもGPS搭載製品があり、これを使うと写真に位置情報を書き込める。

【増加するGPS内蔵機器】


1305spe3-07.jpgウィンドウズ8を搭載しタブレッ
トとして使えるパソコンなら、外
出先で地図を見るのにも便利だ。

バイオデュオ11(ソニー)
www.sony.jp/vaio/ 

 

1305spe3-08.png3G/LTE非対応だがGPSを
搭載しており、つねに位置情
報が利用可能な低価格タブ
レット。

ネクサス7(エイスース)
www.asus.co.jp

 

文〇塩田紳二(アスキーPC4月号掲載⇒特集3「位置情報は天使か悪魔か !?」)

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